『ふたつのスピカ』とかいう漫画、絵は古臭いが読ませる漫画だった…

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ふたつのスピカ

作者:柳沼行

掲載誌:コミックフラッパー

発表期間:2001年10月号 - 2009年9月号

巻数:全16巻

『ふたつのスピカ』レビュー

今回は、宇宙飛行士を目指す若者の話、『ふたつのスピカ』を読みたいと思います。

前回、木多康昭の『平成義民伝説 代表人』で宇宙飛行士の話を読んで、そういえば『プラネテス』とか『宇宙兄弟』とか、宇宙をテーマにした作品って名作が多いよなって思って、そういう作品で泣けるの無いかなと調べてみて見つけたのが『ふたつのスピカ』です。

読み始めたときは絵がなんとなく古臭く抵抗がありましたが、ストーリーが面白かったので次々とページめくりが進みました。

では、レビューのほう書きたいと思います。

3行でわかる『ふたつのスピカ』

宇宙ロケットの墜落事故で母親を亡くした少女。

それでも宇宙飛行士になる夢を持ち続け、

大切な仲間とともに宇宙を目指す物語。

3分でわかる『ふたつのスピカ』の詳細なあらすじ

2010年、アスミ1歳。

この年、日本で日本初純国産の有人宇宙探査ロケット「獅子号」が打ち上げられた。

しかし、打ち上げから72秒後、液体燃料ブースターが爆発炎上。

宇宙管制センターはロケットの自爆装置とも言える“飛行停止システム”のスイッチを押すが作動せず。

獅子号は市街地へと墜落。多くの犠牲者を出す惨事となった。

・・・

鴨川アスミは神奈川県鎌倉市唯ヶ浜に生まれた。

唯ヶ浜は獅子号が墜落した街であり、母はその事故が原因で植物状態になり、その後死んだ。アスミの父はかつて宇宙ロケットの技師であり、獅子号開発チームに参加していた過去がある。今は父と娘の二人暮らしで父は母の死ぬまでにかかった治療費とアスミの学費のために建設現場で働いている。

アスミにはライオンさんと呼ぶ、幽霊が見える。ライオンさんは墜落した獅子号の搭乗員だった高野という青年の幽霊で、とある未練からこの世を放浪していたが、寝たきりになっていた母親が死に、独りぼっちになっていたアスミの前に現れた。ライオンの被り物をしている不思議な姿の彼はアスミにしか見えなかったが、彼は自らが果たせなかった宇宙への夢を語る。

ライオンさんの影響で宇宙飛行士になるという夢を持ったアスミ。小さい頃には父親の前でもその夢を言うことが出来たが、中学を卒業する頃には父親が一生懸命働く姿を前に、夢を言い出せなくなっていた。

父には内緒で新設されたばかりの宇宙飛行士養成高等専門学校、「東京宇宙学校」を受験する。その合格通知を見てしまった父は、アスミが自分に遠慮している事を知り、悲しみ、そして怒った。

「いいか、アスミ。子供が親に遠慮なんかするもんじゃねェ。ましてたった二人きりの肉親だ。お前はオレのたった一人の娘だ。なぁアスミ。オレはお前の幸せのためなら、こんな身体どうなったっていいと思ってる。家財道具一式、家も土地も全部売っ払ったって構わないんだ。オレにはこれがあるからな。まだあどけない頃のアスミがくれた、これさえあれば―――」

『おとうさんへ。あすみのロケットにただで乗れる券』

「アスミの夢は父さんの一番の宝だ」

アスミは父親の元を離れ、東京宇宙学校に進学する。

そこで行われるトレーニングは非常に過酷なものであったが、同じ夢を持つ仲間達、宇喜多万里香(うきたまりか)、近江圭(おうみけい)、府中野新之介(ふちゅうやしんのすけ)、鈴木秋(すずきしゅう)という大切な仲間とともに苦しみや喜びを分かち合いながら成長していく。

『ふたつのスピカ』の名言

口にした言葉だけが真実とは限らないんだよ。誰もが皆、気持ちを上手く伝えられるわけじゃないんだ。

キラキラ光っているものは、どうしてもどこかに影をつくる。

夢を語れるほんとうのともだちは大人になるほどなかなかできないよ。悲しいことだけどね。

戻りたい場所があれば、逃げだしたいとは思わないよ。

空が美しいと気付いたら、誰だって上を向いて歩くもんだよ。

ほんとうのともだちは夢への近道なんだよ。

約束します。悲しませるようなことはしないって。お父さんより一日でも長く生きること誓います。

引用:「ふたつのスピカ」柳沼行(コミックフラッパー)

『ふたつのスピカ』のおすすめポイント

詩的な表現が多いため、そういうことに抵抗がないあなたなら浸れる漫画。

サブのひとつひとつのストーリーがしっかりしているため、読んでいくと本筋に厚みが増してくる。

最初は『宇宙兄弟』に似ているなぁ…なんて思っていました。

全16巻。意外とじっくりと読みました。読み始めた頃はなんか、設定が宇宙兄弟っぽいなぁとか、絵が古臭い感じがして読みづらいなぁ…。なんてマイナスなイメージから始まったんですが、読み終える頃には何度も目頭が熱くなり、なんか読み終わるのが淋しいとさえ感じるような漫画でした。

宇宙を目指してがんばる5人のオレンジデイズ的な友情物語ですが、ひとりひとりそれぞれにいろいろな困難や事情を心に抱え、それでも仲間がいるからがんばれる的な話が大筋。その困難や事情のサブストーリーが見事で、本当に読ませる力を持った漫画家さんだなぁと感心したぐらいです。

あと、この漫画で特徴的なのが優しさです。この漫画は優しさに満ちている。…というか、読んだ後優しい気持ちになれる。というのも、この漫画には圧倒的な悪者がいないのです。

もちろん、登場した時は嫌な感じがするキャラは沢山登場します。アスミの幼馴染の府中野新之介も最初はいじめっ子として登場するし、アスミたちの講義の先生もアスミを宇宙飛行士にさせないように画策するような嫌なヤツとして登場するし、宇喜多万里香も最初は人を受け付けないクールな冷たい女性として登場するし、宇喜多万里香の父親もだいぶ嫌な人間として登場する。

しかし、それらの人々にはそれぞれそれなりの理由があって、その理由さえ紐解かれていけば、最終的にはそこに和解が生まれるのです。

物語を盛り上げるためにはある程度のヒール役は必要なのかもしれないですが、典型的無意味なヒールは存在せず、ちゃんとした理由を持ったヒール役なため、最終的には盛り上がりもするし、最後も上手くまとまっているなぁ…という感情が生まれる。

それが、この漫画の優しさ、そして面白さを生み出しているんだと思います。

宇宙兄弟やプラネテスなどの宇宙ものとは違った感じで胸が熱くなる優しい漫画です。

まとめ

まぁ、知名度で言えば宇宙兄弟やプラネテスに勝てはしない作品ではありますが、アニメ化もしたし、ドラマ化もした作品です。その両方ともまだ観た事がないんですが、漫画を読んだ限りではアニメはどんな感じに仕上がってるかなとか、ドラマはどうかなと興味を持ちたくなる作品でした。

最近はずっと泣ける漫画という感じで読んでいるわけですが、久しぶりにじわっとくる作品に会えた気がします。たしかにちょっと独特な雰囲気を持っている作品なので、人を選ぶかもしれませんがハマる人にはこういう作品はたまらないんだろうなぁ。

と、いうわけでまだ読んだことがないあなたはぜひ手にとってみてください。最初は抵抗があるかもしれませんが、読んで後悔しない作品のはずです。

ではでは、そんな感じで『ふたつのスピカ』でした。

あ、絵が古臭い的な発言しましたが、9年間の連載で1巻と16巻の絵柄を比べてみても全く変化が無い安定した画力ということが出来ると思います。アシスタントとかつけてないみたいなんで丁寧な描きかたをしているんでしょうね。

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野口明人の『ふたつのスピカ』レビュー
  • ストーリー - 85%
    85%
  • 絵 - 40%
    40%
  • キャラクター - 80%
    80%
  • 読みやすさ - 75%
    75%
  • メッセージ性 - 70%
    70%

レビューまとめ

目頭が熱くなるシーンが沢山。ちょっと狙いすぎな気もしないではないがいい雰囲気を持った漫画。

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User Rating 5 (1 vote)
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ABOUTこの記事をかいた人

好きな映画は『オーロラの彼方へ』。好きな小説は『十八の夏』。好きなCDは『Return to Forever』。好きな漫画は『惑星のさみだれ』。趣味はロードバイクで日本をぐるぐる。そんなノッポでうずまきな30代。埼玉出身。ブログは今年で9年目!!記事少ないけど。…でも、それぞれ魂込めて書いてきたはず。だから、今日も読んでくれてありがとう!