『ホムンクルス』は面白いのに、一体何を読んでいるのかわからない。

79%

ホムンクルス

作者:

発表期間:2003年16号 - 2011年12号

巻数:全15巻

『ホムンクルス』は一体どんな漫画なのか?評価は?笑える?泣ける?面白いのか?つまらないのか?

山本英夫の「殺し屋1」が面白かったので、他の作品も読んでみようと思って「ホムンクルス」を読んでみました。

3行でわかる『ホムンクルス』

トレパネーションという頭に穴を開ける手術を施した男が、

ホムンクルスという幻覚に似たものを見えるようになり、

ホムンクルスを通して人の心を診ていく物語。

3分でわかる『ホムンクルス』の詳細なあらすじ

元銀行員で超リッチな生活を送っていた名越進はとある出来事から全てを失い、ホームレスが集まる公園と超高級ホテルの狭間の場所に車を止め、車上生活をしていた。ホームレスにもなりきれず中途半端な存在。そんな彼に目をつけた医学生、伊藤学は彼に取引を持ちかける。

70万で簡単な人体実験を引き受けてほしいんです。頭蓋骨にちょっと穴開けるだけなんです。と、「トレパネーション」と書かれた紙を車に張る。一度は断った名越だったが、車のガソリン代が尽き、車がレッカーされてしまうと名越は非常に焦り、伊藤との取引を受けざるを得なかった。

手術は簡単なもので麻酔を打ち、頭蓋骨にドリルで3cmほどの穴を開けるだけ。そうすることで、脳に血液がたくさん周るようになり、人間が本来使えていない脳の大半を活性化させ、第六感が芽生えるという。

初めはなんの変化も現れなかった名越だったが、風で目にごみが入ったとき、左目で人間を見ると、そこには人間とは思えない化け物のような物体が見えていた。

頭がスパッと切り取られている人間や、ペラペラに薄い人間。干からびた木のような顔をした女性や、股間から顔が見える女性。男性から電話がかかってきたとたんに腰がグルングルン回る女性。

そんなおかしな世界に唖然としていた名越は手に持っていたコーヒーをヤクザの組長にぶつけてしまう。ゴリラのような顔をした組長だったが、左目で見ると子供がロボットに守られている姿だった。全身ロボットの姿だったが、小指だけは人間の指。そのことに気がついた名越はその小指に触れる。

すると組長は驚き飛びかえりしりもちをつく。組長はドスを取り出し、小指を落とさせてもらうぞと現実の世界では言っていたが、左目で見ている名越には子供が自分の指を切り落とそうとしているとしか思えない。ダメだって、そんな自分の指切ろうとしちゃあ。もう、自分をキズつけるのはやめたほうがいい。

そう告げると名越の見ていた子供は泣き出し、それと同時に現実の組長も泣き出した。その後、伊藤にそのことを話すと名越が見えているものは「ホムンクルス」と呼ばれているもので、人間の心、無意識が表面化したものだという。

名越は再び組長を探し出し、その能力を使い、話をしてみることにした。ロボットを着た子供からロボットを脱ぐように説得し、ずたずたに痛んでいた小指を切り落とすように説得すると、組長自身、子供時代に不注意で友人の小指を切り落としてしまったことがあり、それがトラウマとなってずっと引きずりつつ、やくざになり、小指を落としていい人間なのだと思い込むようにしていたのだという。

そのトラウマが解消した事で名越の目には組長は普通の人間として見えるようになった。しかし、その代わり名越の左腕はロボットの手になった。なぜ俺の腕に組長の腕が。名越はわからないことばかりだったが、ホムンクルスが見えることにちょっと面白さを感じ始めていた。

しかし、なぜだろう。ホムンクルスが見える人間と見えない人間がいる。その質問に対し、伊藤は「ホムンクルスは自分自身」だという。「人間の眼というのは目の前の世界を映すためだけのものではありません。目の前の世界に、自分を映し出すものでもあります。あなたがホムンクルスを見ている以上に、ホムンクルスが、あなたを見ているんです」と答える。

さっそくそのパワーを試しに行きましょう。と伊藤。名越を自分の知り合いの心療内科に連れて行き、マジックミラー越しに患者を見せてもらった。しかし、名越には何も見えなかった。

次はブルセラのお店に行く。すると伊藤が気に入った女の子がいたのだが、その女の子だけ名越にとっては砂の化け物に映った。伊藤はその子を痛く気に入り後をつけることにした。次第にその女の子が抱えている問題がわかり、名越はその女の子も助けてあげることにした。

すると組長のときと同様に、名越の左足が砂の足になってしまう。なんなんだこれは。

徐々にホムンクルスに惹きつけられていく名越。伊藤に見えていたホムンクルスとも向き合い、解消するとその意識は次第に自分自身に向かっていくことになる。自分はどこに行こうとしているのか。自分は一体何者なのか。

誰も自分を見てくれる人はいない。人間が見ているのは物、金、外見。もっと心を見ろよ。俺を見ろ。

そう自問自答している間に、なぜか名越はホムンクルスが見えなくなってしまう。再び穴を開けろと伊藤にお願いするも、伊藤は自分の問題は解決したし、これ以上はと拒む。

名越は伊藤の研究材料とドリルを盗み出し、自分で頭に穴を開けることにした。名越の過去との対話、ホムンクルスへのこだわりはもう止められないものになっていた…。

『ホムンクルス』の名言

今の世の中、人間のほうが機械よりかよっぽど機械っぽいんですから。

あっちはよお、なんで建物は増える一方なのに、人間は減らされていくんだろうなあ……まるで人間よりモノの方が生きてるようだぜ。

オマエのことを男だと疑うやつはいても、「オマエ自身」を疑うやつは一人もいない。

「目」というのは自分と外をつなぐ唯一の通路だ。

身体があるからこそたった数ミリのニキビひとつで悩み、たった数センチの顔や身体のズレに苛立ち、たった一本の前歯の欠如に慌てふためく……数ミリでかい目に視線は集まり、数ミリでかい鼻は視線をそらされ、数センチ細い女に視線を奪われ、数センチ低い男は視線を手に入れることができない。人間は身体がなければ、苦しまない。

引用:「ホムンクルス」山本英夫(ビッグコミックスピリッツ)

『ホムンクルス』のおすすめポイント

なんかよくわからないけど、面白い。

哲学的。

ちょっぴりエロぐろい。

正直何を読んでいるのか良くわからなくなってくる…。

殺し屋1に比べると面グロさは少ないです。面白いのは流石なんですが、グロさは表面的から内面的なものに移っています。

トレパネーションという頭に穴をあける手術をすることによって、人間の内面がホムンクルスという非人間的な生物の形になって見えるようになった主人公が自分を探しつつ、人を助けたりしていく話なんですが、最終巻まで読み終わった後、あぁ、こういう終わり方に持って行ったのかと読後感は最悪でした。

…が、それでも傑作だと思いました。いや、こういう終わり方に持っていったから傑作だと思ったのかもしれません。

この漫画を読んで、恐怖感を覚えることはあっても、幸せな気持ちになることはないと思います。しかし、それでもぜひ読んでもらいたい。人間の内面と外見の哲学に浸れます。好きな人はとことん好きになる漫画です。もちろん、受け付けない人は徹底的に嫌いな漫画になるかもしれませんが。

もし、自分が人の内面が見れたらどうだろう。昔、サトラレという映画がありましたが、あれの自分探し版ですね。自分は人の内面を見ているのか?それともやはり外見だけを見てしまっているのか?

僕の持論としては、人間は外見と内面、両方磨くべきだとは思っていますが、それでも自分的には相手に内面だけを見てもらいたいなんていうエゴがあります。時間が経てば、外見なんて衰えていきますから。それでも外見に惹かれる部分はあるわけで、出来る限りの努力はしないといけないなぁ~なんて思います。

とか書いてみましたが、とにかく内面に向かっていっている漫画なので、読んでいる時はほとんど何の話なのだかわかりません。しかし、それでも面白いんですよ。なんだろね。

まとめ

…なんの話をしているかわからなくなりましたが、この漫画はちょっと中だるみする部分があるかもしれませんが、ぜひぜひ最終巻まで読んでそれから評価してみてください。殺し屋1よりも読みやすい作品で、人にも薦めやすい漫画でした。

次は、山本英夫の「のぞき屋」という作品を読むつもりです。「殺し屋1」、「ホムンクルス」と読んでみて僕はこの漫画家の書く話が好きみたいです。なので、とりあえず、いろいろな作品に触れてみようと。

ではでは、そんな感じで『ホムンクルス』でした。

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野口明人の『ホムンクルス』レビュー
  • 85%
    ストーリー - 85%
  • 80%
    絵 - 80%
  • 70%
    キャラクター - 70%
  • 75%
    読みやすさ - 75%
  • 85%
    メッセージ性 - 85%
79%

レビューまとめ

人間の内側との対話的な漫画。絶対にまねしないでね!って書いてあるけど、トレパネーションしてみたらどうなるかなぁ?って妄想が止まらない…。

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ABOUTこの記事をかいた人

好きな映画は『オーロラの彼方へ』。好きな小説は『十八の夏』。好きなCDは『Return to Forever』。好きな漫画は『惑星のさみだれ』。趣味はロードバイクで日本をぐるぐる。そんなノッポでうずまきな30代。埼玉出身。ブログは今年で9年目!!記事少ないけど。…でも、それぞれ魂込めて書いてきたはず。だから、今日も読んでくれてありがとう!