『マイガール』という漫画が結構評価高いから、実際読んでみたら…。

マイガール

作者:

発表期間:2006年5月19日 - 2010年8月20日

巻数:全5巻

COMIC REVIEW - マンガレビュー

前回読んだ、うさぎドロップという漫画にすごく似ている設定の漫画を昔、ちょこっと読んだことがあって、なんだっけな?と思い出した漫画が今回レビューする『マイガール』という漫画です。前回読んだ時は全05巻の第01巻目で読むのを辞めちゃったんだけど、調べてみたら結構評価が高くて、今回は一応最後まで読んでみた。…まぁ、とりあえずうさぎドロップとの比較も含めてレビューします。

3行でわかる『マイガール』

留学していて連絡がつかなかった彼女が突然事故で亡くなったことを知った主人公。

そんな主人公のもとに一人の女の子が現れる。

自分の娘だと知った主人公は一緒に暮らすことを決意する。

3分でわかる『マイガール』の詳細なあらすじ

ポストを見るのを止めたのはもう3年も前の事。菜の花畑の散らばった、こんな田舎町に越してきた意味も…今では忘れてしまった…。

付属の大学に通う彼女と出会ったのは高校に入って間もなくの頃…。あの時は…まさか4つ年上のこの人に本当に手が届くなんて思ってなかったからなぁ…。

「あたし留学が決まったの。待ってなくていいから」

「え…でも…」

「だって、いつ戻るか分からないし、私もあっちで就職決めちゃうかもしれないし、正宗君だってフリーの方がこの先絶対良いって」

「そんなこと……。オレ待ってます…」

「近くにいても相手のこと疑ったり喧嘩だってするのに…嫌なんだよね、距離ができた分、そういうことが増えていくのって」

「でも…待ってます」

「無理だと思うよ。私は自信ないよ」

「それでも…待ってます」

オレ…待ってます…陽子さんのこと…ずっと…待ってますから―――…

…………。

「笠間さーん、外線3番にお電話ですよーっ。えーっと確か、塚本陽子さんという方のお母様からなんですけど…」

毎日…ほとんど毎日手紙を書いた…。天道虫の小物を見つけては手紙に同封して馬鹿みたいに送り続けた。けれど…ポストに返事は届かなかった。きっと忙しいのだろうとか色々な理由をつけて2年間、自分を慰めていた。

先生達の噂話で向こうで就職を決めた彼女のことを知った。これで堂々と諦められる理由が出来たと心の何処かで安心していた3年目の春だった。

陽子さんが事故で死んだことを知った。

……。

「笠間…さん?ああやっぱり…」

「おばさん…ご無沙汰してます。この度は…」

「いいえ、来て下さって嬉しいわ…」

「いや…愛想つかされた僕なんかが来て良かったのかどうか…」

「その事なんだけど…実は…陽子には5つになる、その…娘がいてね…」

「それは…また…な…何と言うか…。気の……毒に…」

「いえ…それが、その…。突然のことで私もどう伝えていいのか…陽子から聞いてた話では…その…父親は…笠間さんだって…」

「え…」正宗は戸惑った。「だったら…そんな大事なこと…連絡してくるのが普通でしょう?馬鹿にしないで下さい」と怒鳴って、その場を去った。

職場では彼女に見せたかったプロジェクトが急に上手くいった。いなくなった瞬間に上手くいくなんて…世の中なんて理不尽なんだ。

職場から帰ろうとしている時、女の子の泣き声が聞こえた。あたりを見渡すと木の上に女の子が。糸電話が絡まってしまってそれを取ろうとしているらしい。正宗が代わりに取ってあげる。

「も…もしもしこんにちは。聞こえますか?え…えーっと君の名前は?」糸電話を使いその女の子と会話をする正宗。

「コハルです」

「そ、そっかコハルちゃんか…。コハルちゃん今日は何か良いことがありましたか?」

首を横に振るコハル。

「え…えっと、それじゃあ昨日は良いことありましたか?」

再び首を横に振る。

「え…えっとそれは、何て言うかその…僕と一緒だ…」

「変な質問っ」コハルはくすっと笑う。

今日はママの代わりにプレゼントを届けに来たんです、とコハルはいう。その時、同僚に呼ばれ正宗が担当している天道虫の調査データを渡される。

「カザ…マ?カザママサムネ?」

「え?う…うん、そうだけど…」

「み…見つけた!てんとう虫のマサムネ君!おとどけものです。ママから」

マサムネくんへ。ヨウコより。と書かれた小包。

ヨウコ…。まさかこの娘が…陽子さんの娘―――!?

電話が鳴る。

「あの…笠間さん?度々御免なさい。塚本です。陽子の母の…。この間はこちらも配慮が足りなくて申し訳なく思ってますわ…。それでコハルが…、お話した陽子の娘なんですけど、その…姿が見えなくて…もしかしたら貴方の所に…。あの子にも上手く説明出来なくて。コハルはまだ貴方をお父さんだと思っているから…」

「お電話誰から?」電話を切った後、コハルが聞いてくる。

「君のおばあちゃんからだよ」

「…。コハル…まだ帰りたくない…」

「駄目だよ。おばあちゃん心配してるよ。僕だって帰らないといけないし…。すぐ迎えに来るから…」

「正宗くんは…コハルが嫌い?」

「き…嫌いも何も…君と僕は無関係なんだよ。陽子さんから何て聞いていたか知らないけど。だから…」

「…何も知らないくせに…」

コハルは持っていた小包を破り、正宗に投げつけて走り去っていった。

何だこれ?随分古そうだな。手紙…?な…何だよ、これ…。陽子さんからの手紙?オレに宛てた…?これ…全部…?なんで…?どういう事だよこれ…。

正宗はそれを見て、コハルを追いかける。

………。

お元気ですか?正宗君。手紙をいつも有難う…。留学を決めたのは…本当は勉強したいからでも、なりたいものがあったからでもないの…。コハルがいるって分かった時は本当に嬉しかったけど…。君には絶対言わないって心に決めた…。だって私が高校生の時はこれから色々なものを見たいって思ってた…。

君は真面目な人だから…。知ったら、きっと制限される日々の方を自ら選んでしまうでしょ?だから言わない…。

手紙の返事もこっそり隠しておこうと思うの…。私の事なら心配しないで…。全然大丈夫だから…。

嘘。

本当は…本当はね…。怖いよ。自信なんて少しもない。寂しいよ正宗君。寂しいよ。

好きだよ正宗君…。今も変わらず…。好きです…。

………。

知ってたくせに…。誰よりも知ってたくせに…。天道虫が大好きで、すごい負けず嫌いで…。どんなにオレの事、想ってくれていたか…。ちゃんと…知っていたはずなのに…。

見捨てられたと思って、勝手に一人でいじけて…。酷いのはどっちだよ。たった一人でどんなにか大変だったろう……。

もう…謝る事すら出来ない…。

もう…。

逢えない…。

カサッ!

「コ…コハルちゃん!?よ…良かったそこにいたんだ…」木の上にいるコハルを見つける。

「みんなね忘れろって言うの…。悲しいジコだったね。だから早く忘れなさいって。とっても悲しかったし、たくさん泣いた。でも…コハルはママの事忘れたいとは思わないよ」

早く忘れろよ笠間…。お前の事なんかもう覚えてないよ。そう同僚に言われたことを思い出す正宗。

「コハル…正宗君に会いたかったんだ…だって正宗君はママと離れて生きていける方法を知っているでしょう?それとも正宗君はママと離れて寂しくなかった?もう嫌いになった?ママの事…忘れてしまった?」

いつか私ここで暮らしたい。ええ?この辺畑ばっかじゃないですか…。いいのっ住みたいの。そうだ正宗くん、いつか一緒に住もうかここに。陽子とのそんな会話を思い出す正宗。

「僕の住んでる家、この先にあるんだ…。築20年の駅から20分…。周りは畑ばっかりでひどい所なんだ…。何度も引っ越ししようと思ったけど……出来なかった…。たったひと言だよ…。陽子さんに言われたそのひと言が嬉しくて…。寂しかったです、毎日…。寂しくて辛くて…。忘れたいって何度も…思うくらい…」

「コ…コハル…ママを大好きな人と一緒にいたい…」

「ぼ…僕には陽子さんと離れて生きていける方法なんて…分かりません…。けど…君がこれから送ろうとしている日々を…僕は知ってる…。同じ気持ちを持ってるなら…探す手伝いが出来るかもしれない…。じ…自信はないけど…。い…一緒に…暮らしてみましょうか…」

「はい…」

こうして、正宗とコハルの生活が始まる。

『マイガール』の名言

喜びも悲しみも日々一瞬の出来事なのに、どうして人はこんなに苦しむんだろうねぇ…。楽しい事が過ぎていった後、寂しいと思うのは誰だって当たり前さ。でも都合の良い事に人間ってのは、時間が経つにつれ悲しい気持ちほど薄れていく…。そのかわり、一生の支えになるんだよ。喜びは…。

大事にし合って何が悪いっ。甘えたい時に甘えられて我が儘聞いてもらえる親のいる奴が勝手な事言うなっ。恵まれてる事すら分かってない奴に知りもしない人ん家の事とやかく言われたくねんだよっ。

子どもが心配しなくていい事って何?大人だったら心配してもいいの?だったらオレ今日から大人になるよ。

人は…平凡な日々を送っているとこんな日常つまらないと文句を言うくせに、いざ変化が起こると…突然臆病になって、その何でもない日常を守ろうとするんだ。

少し寒くて少し暖かいって一番良いと思いません?

ふーん。じゃ、あんたはさ自分の求める答えがもらえないなら、相手も周囲も迷惑したって構わないって事?人生上手くいく事なんて稀なのにさ、自分の思い通りにならないと不幸だって考える人間嫌いなのよね、私。

身内を失うという事は悲しいが…僕らは少なからず時間の尊さを人より早く学ぶ事が出来た…。その分、自分の人生を豊かに出来る方法を知った。僕らはついている。

付き合う人間が一人増えるだけで、人生が豊かになっていく事を…改めて学んだ気がする…

引用:「マイガール」佐原ミズ(BUNCH COMICS)

『マイガール』のおすすめポイント

絵がとっても綺麗。

登場人物のセリフが時々深く胸を打つ。

うさぎドロップと引き合いに出される事が多い『マイガール』だが…

ふう。読み終わりました。『うさぎドロップ』は全10巻で、こちらの『マイガール』は全05巻。ちょうど半分の長さのわけなんですが、正直な所、マイガールの方が読み終わるまでに時間がかかりました。

読み始めは本当に両作品、似ています。働いている男性が突然女の子と暮らし始めるというストーリー。違いはといえば、うさぎドロップは自分の子供ではない所に対して、マイガールは自分の子である所。うさぎドロップでは母親は生きていて、マイガールでは死んでいる。

うさぎドロップは突然現れた少女を育てるという環境に四苦八苦しながらも、職場を変えたり、飲みに行くことを断ったり、自分を犠牲にしてなんとか頑張る大吉のカッコよさを中心に描かれていましたが、マイガールに関しては基本的に大変そうな部分は描かれず、正宗は仕事を早く帰ったりも、飲みに行くことを断ったりもしません。…というのも、うさぎドロップの方は、身寄りの全くおらず対処に困っていた少女りんを引き取ったという背景がありましたが、マイガールの方は陽子さんのお母さん、つまりコハルのおばあちゃんが面倒を見てくれるのです。

なので、基本的に陽子さんのいない寂しい灰色の生活を送っていた正宗が、コハルと暮らすことによって色見のある生活を送れるようになった生活の変化を中心に描かれています。

まぁ、うさぎドロップの方を激動の日々と表現するなら、こちらはほんわかとした日々です。りんが風邪をひいただけでも焦ったりした大吉でしたが、マイガールの方は風邪をひいたりもしない。とにかくコハルがよく出来た子なのです。

が、しかし…。それがこの漫画の欠点。あまりにもコハルが出来すぎていて、現実味がありません。子どもらしくないのです。まーーーーったく子どもに見えない。言葉遣いがなぜか敬語で話す所もキャラ設定としてはありなのかもしれないですが、ちょっと違和感を感じ、考えていることや、思考なども幼稚園児や小学生には全く見えないんですよね。

うさぎドロップの方は、りんが中心にいましたが、マイガールの中心はあくまでも正宗です。コハルは正直、いてもいなくてもよかった存在感でした。正宗が陽子さんを忘れられずに苦しむというストーリー。子育て日記ではありません。

と、いう事で、うさぎドロップとマイガール、始まり方は非常に似ている部分がありますが、読んでみれば全くの別物。

たぶん、両方の作品が好きというよりかは、どちらかの作品は好きという人の方が多い気がする。それだけ全く違う色を持った作品なのです。

んで、僕はというと読んだ順番も関係はあるのかもしれませんが、うさぎドロップを先に読んでしまっていた以上、どうしても比較してしまいました。そして子育て日記的な漫画だと思って読み始めてしまっていたので、涙腺崩壊することを期待しながら読んでいたのです。

なのに、物語的にほぼ進展なし!山場もない。終始、ほんわかした雰囲気が流れているだけ。

うーん。絵はすごく綺麗で文句なしにいいんですが、ストーリーが。気が付いたら終わってた。山もなければ谷もない。気が付いたら最終回だった。

うん。読み終えた後に残ったものは、こんな子どもいねーよ!って事だけ。Amazonのレビュー見ても、ファンタジーだからと納得している人もいるみたいでしたが、ファンタジーって便利な言葉。

リアルにありそうな世界を描いているだけに、全くの異世界を描いているわけではないだけに、コハルのリアル性が浮いていて、僕は読んでいて疲れました。しかし、それを補ってくれる終始徹底したほんわか感。

なんとなく優しい気持ちになれる漫画ではありました。

ただ、僕としてはもう一歩かなぁと。絵が上手だからね。期待しちゃうよね。でもだからこそ、この作者の他の作品も結構評価高いみたいだし読んでみようと思います。初期の作品みたいだからね、この『マイガール』は。

まとめ

ま、否定的な言葉をつらつらと並べてみては来ましたが、うさぎドロップと同様、こちらもドラマ化されているみたいだし、非常にとっつきやすい作品だと思います。

そして、うさぎドロップに比べてよかった点は、こちらの方がセリフ回しが上手い。言葉の一つ一つに重みがあります。読んでいてハッとさせられることしばしばです。

というわけで、完全に駄作というわけではありません。レビューも高評価のものが多いし、僕がただ理解力や許容力が乏しいだけなのかもしれませんし、絵も上手だし。

つまりは読んでみて!って事でした。

はい。結局はそうなっちゃうよね。おすすめはしないけど、読みたいっていう人がいたら読んでみないと面白いかどうかはわからないよ、その人次第だよっていう作品だと思います。まぁ、たいていの作品はそうなんですけどね。

絵が綺麗なので、ジャケ買いする人も多そうですが、とりあえずは中身は繊細かつ微妙な内容です。そういう事にしておきましょう。

ではでは、『マイガール』でした。

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野口明人の『マイガール』レビュー
  • 50%
    ストーリー - 50%
  • 90%
    絵 - 90%
  • 55%
    キャラクター - 55%
  • 70%
    読みやすさ - 70%
  • 55%
    メッセージ性 - 55%
64%

レビューまとめ

絵がとても綺麗。中身をどう捉えるかは人それぞれ。

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四国で歩き遍路中。えもぶれ!で検索!好きな映画は『オーロラの彼方へ』。好きな小説は『十八の夏』。好きなCDは『Return to Forever』。好きな漫画は『惑星のさみだれ』。趣味はロードバイクで日本をぐるぐる。そんなノッポでうずまきな30代。埼玉出身。ブログは今年で9年目!!記事少ないけど。…でも、それぞれ魂込めて書いてきたはず。だから、今日も読んでくれてありがとう!